君にずっと恋してる〜叶わない恋だとしても〜
ベッドに横になりながら、天井を眺めた。


いつもは、寝付きが悪いのだけど


最近、色々あったからか


すぐ、眠りにつける。


「リン…ちゃん…」


また、甘くて優しい声。


私は、直ぐにわかった。


尋斗くん!


私は、パチクリと目を開けた!


私の部屋のベッドの横の椅子に座っていた。


…夢。


私は、すぐ理解した。


また、夢を見てるんだって。

「尋斗くん。会いにきてくれたんだ」


私は、夢の中で、彼と話せる事が

嬉しいかった。


夢に出てきてくれて、嬉しい。


夢の中の尋斗くんは、いつも、名前は呼んで


くれても、それ以外を話す事はなく、


…ただ …ただ、、私を優しい目で


見つめているだけだけれど、


私は、嬉しくてたまわらなかった。


起きあがろうとしたけど


私の頭を軽く撫でながら首を横に振った。


…あっ。寝転んでいて欲しい?…の?…?


私は、また、ベッドに横になった。


彼は、私の頭を優しいくまた撫でながら


ニコっと微笑みながら、


あの、甘くて優しい眼で私を見た。


私は、たまらなく気持ちよく、眼を閉じた。


心地よくなり、安心感からか、


スーッと、深い眠りに誘われた。



《ジリリリリリリー!!》



耳元で鳴り響く音。


…う、うるさい。


眼を閉じたまま、手探りで携帯を探した。


コツリ


携帯が指にあたり、携帯を手にして


アラームを消した。


…また…。尋斗くんの…夢…。


不思議な事は、やっぱり世の中にはある。


……。って。

…今…何時?


寝ぼけまなこで携帯で時間を確認した。


…えっ!やっやばっ!7時40分!


7時に起きる予定が。


しまった!寝坊した!


アラームは、何回も私を起こそうと


何度も何度も鳴っていたようだ。


慌てて飛び起きて、制服に着替えた。


遅刻なんかしたら、バイト禁止条例が発令されてしまう!


そう。。

バイトをするにあたり、お母さんとの
約束事だ。


尋斗くんとこに、行けなくなる!


髪はボサボサのままで


とりあえずは、朝のパンをかじり


慌てて自転車を走らせ学校へと向かった。



学校に行く途中に、桜並木がある。


春でよかった。


桜並木の桜の花びらがヒラヒラと次から次から舞い落ちていくのを見るのが大好き。


まるで、春の雪みたいで、とても綺麗〜。


…って、春を感じてる場合ではない。


現実は


はぁ…はぁ…はぁ…。


自転車を本気で走らせ。


息はあがり、

髪は振り乱れ…。春の綺麗。とは、


ほど遠い姿。


女子校でよかったぁ〜笑


なんて思いながら、


学校へと急いで向かった。


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