君にずっと恋してる〜叶わない恋だとしても〜
学校も終わり


陽子は、バイトに、私は病院へ。


足取りは軽く、自転車のペダルをこいだ。


病院について、


《剛くん、病院につきました》

と、ラインした。


すぐ既読がついて


《了解です。少し待合室で待っててね》


《はい》


私は返信してから、

待合室へ向かって、心なし落ち着かないけれど、椅子に座り

剛くんがくるのを待った。


「お待たせ〜」

そう言いながら剛くんが入ってきた。


「今、尋斗身体を拭いていて…
少し、食堂にいかない?」


「…あっ。はい」


か、身体を拭いてるんだ。


尋斗くんの身体…想像を、してしまった!

少し顔が熱った。

…わっ私ってばっ!はっ恥ずかしい。



想像を打ち消すかのように、軽く首を振った。


しまった、剛くんがいたことを忘れていた。

剛くんをチラリと見てみた。


ジーッと、私を見てる?

ヤダヤダ、私、変な子?

顔がさらに熱くなった。耳まで熱い。


多分、耳まで赤くなってるかもしれない。



「あっ、リンちゃん、顔真っ赤だよ」


えっ!?やっやっぱり〜!


私は顔を両手で隠した。


そうゆうやいなや、


はっはっはっはっ〜と剛くんは笑うと、


「尋斗が身体拭いてるとこでも想像してたんじゃないの?」

…えっ?ヤダァーー!何故わかった?の…。

恥ずかしいすぎるよ!


いたずらっぽい顔をして、私を茶化してきた。


「ちっちっ違うから!違うから!」


そうゆうと尚更顔が熱くなっていく。

あぁ…いやだァァー!恥ずかしいすぎる。


誤魔化すように、剛くんに近寄り、
剛くんの腕に顔を埋めた。


これなら、私の顔は見えないでしょ?


剛くんは、しばらくそのままジーッとしてくれていた。

はっはっはっはっ〜と、また、笑うから、


もう!って少し怒るような表情をしながら、
剛くんを見た。


剛くんは、何故か
垂れ目がさらに垂れ目になって
黙って、そんな私を眺めていた。

そんな表情に、

一瞬。心臓が、ドクゥンと跳ねた。


…えっ?…私…


彼の顔をしばらく眺めていた。


剛くんは、瞬きをしてから、そのまま 

私の眼を捉えた。


深く、訴えてくるような…

眼が離せなくなっていた。

彼の眼に、私は、どんどん吸い込まれていく。

「ごめん」

剛くんのか細い甘い声で、


ハッと我にかえった。


私は、
ボーッと、剛くんを見つめてたんだとその時に気がついた。


私…何?胸が…ザワザワする。


自分の胸に手をやった。


しばらく、この感情が何なのか…


考えながら、モジモジしていると


「もう、拭き終わったかな?食堂は辞めて、病室に行こうか?」


あっ…その方が私もいい!

心で叫んだ。


うんと私は頷いて
、病室に向かう事になった。


食堂で二人で…。なんて…。


今までにない緊張がはしって、
ぎこちない私がいる。




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