僕は彼女に、たくさんの幸せを貰った。
僕はその分、何かあげることができていただろうか。
音のない彼女に世界を聞かせてあげることができていただろうか。
幸せと、喜びと、大好きと、
たくさんの思いを込めて、
僕が知る一番美しい言葉を贈りたい。
「ありがとう」
- あらすじ
駆け出し声優の鈴原海は、行きつけの喫茶店で、耳の聞こえない女性と出会う。
彼女は音大に通っており、将来はピアニストになりたいと語る。
声を武器に仕事をする海だったが、次第に音の聞こえない世界について考えていく。
声の無い会話。
初めて学ぶ手話。
そして、2人の夢…
正反対の世界にいたはずの2人の言葉が色んな形で交わる。