悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2
第五章 悪夢を語って
 それから五日の間、レオンティーナの部屋にはソニア以外、誰も入らなかった。
 両親は扉のところまで様子を見に来たのだが、両親を経由してハイラムにうつすのが怖いと、レオンティーナが部屋に入るのを拒んだためである。

「私、こんなに寝込んだの初めてよ」

 五日目になって、レオンティーナは嘆息した。本当は昨日のうちに熱は下がり、ベッドから出たいと言ったのだが、ソニアに断固としてベッドに戻されてしまったのである。

「昨日まで、お熱があったのですよ。もう少しおとなしくしていてください」

 と、ソニアににらまれてしまったら、レオンティーナも首をすくめずにはいられなかった。

「私ね、思うのだけれど……あなた、来週一週間お休みをとるべきよ。私にずっとつきっきりだったんだもの」
「お休みをいただいても、することがありません」
「……そうね。ロニーも皇都にいないし、あなたひとりで出かけてもつまらないわよね」
「い、いえ……! そんなことを言いたかったわけじゃないんです! 私は、レオンティーナ様のお側を離れたくないんです。レオンティーナ様も、お休みを取ってくださればいいんですよ」

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