可愛くないから、キミがいい【完】
3.天邪鬼トゥインクル








秋は、どの高校も学校祭の時期のようで、私の高校でも学校祭の準備が少しずつ始まっていた。



私のクラスは、映画喫茶をやる予定だ。

誰かの持ち寄りだったり、レンタルショップで借りてきたりした映画をスクリーンで上映しつつ、ジュースとか変わった味のポップコーンを来てくれた人に振る舞うのがその内容。


誰が言い出したのかは分からないけど、かなり賛成しておいた。



「えー、みゆもやりたい。素敵な案だね?」って、ハートを飛ばしたのだ。学級委員の男の子は鼻の下伸ばして、マユたちも私に同調したから、すぐに映画喫茶に決定した。


自分の意見を通すために飛ばすハートは、どれだけ熱いかではなく、どれだけ可愛いかが重要なのだと再確認した。


それに、映画喫茶ができることは、天使とかそういうことは関係なく、本当に嬉しかった。




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