先生がいてくれるなら②【完】

退院後、初登校の朝。



美夜ちゃんといつも通りの待ち合わせ。


普段通りの、朝──。


“あたり前の朝” が、こんなにも嬉しいと感じる。


あの事件が無ければ私はこんな風に思わなかったに違いない。


恐ろしい思いもしたし、背中はもちろんかなり痛むけど。



「おはよう!」


親友を見つけ、私は大きく手を振って、声をかける。


私の大好きな親友は、私を見つけるなり大粒の涙を流した。


「あ、あかりぃ~~~っ」

「美夜ちゃん、おはよう。ごめんね!」


今日から登校することは事前に電話で連絡してたし、その時にいっぱい喋ったけど、やっぱりお互い顔を見るととても安心して、私も思わず涙が零れた。


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