俺様社長の強引愛はただの純粋な愛でした◆おまけのお話を追加しました◆
とりあえずお友達から
新商品の売り込みのため、まずは試作品を使ってもらうべく、病院巡りをする柳田に一花も同伴していた。
どこに行っても、どんな威圧的な言葉を掛けられてもまったく怯むことなく、我が社の製品を紹介する柳田が一花にはとても立派に見えた。

今日は一日外回りのため、昼食も外で食べることになる。柳田と二人で食事をすることに、最近ではもうすっかり抵抗がなくなっていた。

今日のオススメ和定食を食べながら、一花はふと浮かんだ疑問を口にする。

「そういえば、社長は医学部だったんですよね?どうして医師になるのを辞めたんですか?」

「一花も教えろよ」

「?」

「亡くした大事な人って誰?」

思わぬ発言に箸を落としそうになった。
なぜそれを柳田が知っているのか、発言した本人はけろっとした顔をしている。

「……交換条件に出した覚えはありません」

強く言うも、

「向井には言えて俺には言えないのか?」

すぐさま更に強い言葉が返ってくる。
そして食べていた手を止め、柳田は一花に視線を向けた。
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