その手をつかんで
お試しデート
病院で連絡先を交換した蓮斗さんからメッセージが届いたのは、三日後だった。

三日が長いのか短いのか、その感覚は人それぞれだけど、私はいつ連絡が来るのかとそわそわしていた。

その日は、瑠奈から退院したとの連絡をもらった日でもある。

蓮斗さんからのメッセージは夕食のお誘いで、日にちは今週の土曜日……つまり、二日後に迫っていた。

蓮斗さんのためではないが、特に予定の入れてなかった私に異論はなくて「わかりました」と返信する。

当日は蓮斗さんが車で迎えに来てくれるので、食事場所は知らされていない。場所によってはドレスコードがあるかもしれないと思い、それだけを確認した。

特にないので、カジュアルな服装でも大丈夫だという。なかなか服装が決まらなく、蓮斗さんの服装に合わせるために彼の服装を訊いた。

彼はこの日、仕事があるそうだ。終わらせてから行くので、スーツになると教えてくれた。

それで悩んだ結果、私はワンピースを急いで新調する。でも、高級なのは買えないので、ほどほどのものだ。

この服装で蓮斗さんと食事をして、大丈夫だろうかと何度も考えて、彼が迎えにくるまでキリキリと胃を痛めていた。
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