その手をつかんで
ティータイムを楽しんでいる人たちの装いや振る舞いには品がある。

みんなキラキラとしオーラを放っており、やはり違う人種なんだと実感させられてしまう。蓮斗さんもそのオーラの中に溶け込んでいた。

彼は誰かと話をしていて、私にはまだ気付いていない。

蓮斗さんも結婚したらこのマンションに住む予定になっていて、すでに用意されていると瑠奈から聞いている。

だから、ここに知り合いがいても不思議ではない。

ふたりの女性と親しげに話している蓮斗さんのもとに行くのにためらい、足を止める。

ふと私の視線に気付いた彼がこちらを向いて、片手をあげた。

女性たちが蓮斗さんの動きに合わせて、私を見てから、優雅に微笑む。


「蓮斗さん、ではまた。いつでも連絡くださいね」

「ええ」


女性たちはすれ違う私を、品定めするかのように上から下までじっくりと見ていった。

彼女たちの身に付けているものと私の身に付けているものは明らかに違う。安っぽいと思われたのかもしれない。

私と一緒にいたら蓮斗さんまで悪く思われてしまう……。


「明日花、どうしたの? 座って」

「はい……」
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