オオカミ社長の求愛から逃げられません!
おかしな事件発生


これはいったいどう状況なのか誰か説明してほしいと、彼の大きな手に抱き寄せられながら呆然と思っていた。

首を大きく傾げれば、絵に描いたような精悍な顔がある。奥二重の涼しげな目に、その中にある瞳は吸い込まれそうなくらい黒く、スッと筋の通った鼻に、男らしい眉目。どのパーツを切りとっても形がいいものが揃っている。

こんな極上のイケメンを間近で見るのは生まれて初めてかもしれないと、こんな状況にも関わらずまじまじと観察してしまう。

しかも155センチの私より30センチ以上高い身長。高身長の彼にぴったりとフィットする高級そうなスーツからは、ほんのりいい香りがする。

そんな完璧すぎる彼は今、平凡を絵にかいたような私を抱き寄せながら、集まるギャラリーを気にする様子もなく堂々と言ったのだ。

「俺は彼女と結婚する」と。


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