「ただいま、愛花」

「おかえり、おーちゃん」


兄妹でもない。恋人でもない。
だけど同じ部屋から出かけて、同じ部屋に帰ってくる。

わたしたちの関係は、きっととても奇妙なもの。


「お前は大事な妹みたいなもんだからな」


こんなにも近くにいるのに、届かない。
もっともっと、近づきたい。


「ちゅーして」

「……ませガキめ」


必死に背伸びをするわたし、17歳。
優しくて大人なおーちゃん、24歳。


ふたり一緒の生活は楽しくて、あったかくて、ドキドキして。
……それがとても、痛くて苦しい。


「ひとりにしたくない。他の誰かじゃなくて
……俺が、そばにいてやりたいって、思う」

「……っ」

「お前のいない生活とか、俺のほうが耐えらんねーの」


マトリカリア 305号室。
このふたりぐらしに幸せを感じてしまうわたしを、

——どうか彼女が、許してくれますように。


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