平凡な私の獣騎士団もふもふライフ2
リズは、いつも通りニコラスの私室を目指して二階に上がったところで、回廊からその姿を見かけて思わず立ち止まってしまった。

「……すごく若い令息と、また令嬢たちもいっぱいいる」

庭園に用意された大きな席の一つで、ジェドが貴族らと談話していた。

公務に関わる公爵らとも話さなければならない、と口にしていたのを思い出す。でも半分の同席者は、恐らく話している貴族らの娘息子たちだろう。

カルロがしげしげと、リズの上からそちらを覗き込む。

「お仕事の話は、進んでいるのかしらね」

なんとなく、リズはもやもやして片手でカルロをもふもふした。

気のせいか、ジェド以外の大人たちは顔が引き攣り気味だった。次から次へとジェドに話しかける娘息子たちに困っている様子だ。

……何を話しているのかしら。

大人気の彼が少し気になる。ジェドは知らない人みたいに、理想の上司といった外向き用のきらきらしたオーラをまとっている。

一番怖かった鬼上司なのに、よく知らない王都で彼と一緒にいる時だけが、安心できる気がする、だなんて……。

リズは、なんだかあそこにいる彼を遠く感じて、じっと見てしまった。

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