溺愛確定 冷徹御曹司とのお見合い事情

同棲生活開始


1週間後の土曜日。

時刻は13時。

レジデンスの敷地内に足を踏み入れた。

場違いな感覚を抱きながらもテレビで見るより緑豊かな造りと優しく丁寧なコンシェルジュの方に気分を和らげさせてもらい、ついに吉池さんの自宅前までやってきた。


「こ、こんにちは」


日程の調整などでメールはしていたけど、言葉を交わすのも、顔を合わせるのも久しぶり。

しかもこれから同棲が始まるのだ。

緊張して笑顔を作ることすら出来ない自分を情けなく思いつつも、考えてきた挨拶を口にする。


「今日から2ヶ月間、お世話になります。よろしくお願いします」

「あぁ。よろしく。入って」


頭を下げていた私に吉池さんは短くそう言うと、キャリーバッグを私の手から取り、中へ入るよう脇にずれた。


「すみません。失礼します」


不安と緊張の混在した気持ちを抱きながら、ぎこちなく靴を脱ぐ。

それから部屋の中に足を踏み入れると大きな窓が視界に飛び込んできた。

吸い寄せられるように窓のそばに行き、下を覗くと青々と茂った木が見えた。

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