遥と『長谷屋』を訪れた後から、就職活動が本格化し始めた。

時々、悠里の母は長谷屋に買いに行っている様で、家に帰ると悠里の分も買ってくれている。

そんな状況で、長谷屋に行くことなく時が過ぎていく。

和菓子王子の事を思い出しては、ドキドキする。そんな想いを胸に秘めたままどうする事も出来ない。


ただ、就職活動についでは遥にお願いされ、遥と働く事になった。

遥は、西園寺グループの役員に名を連ね、大学入学当時から本格的に始めた各社の仕事を順調に熟し、卒業と同時にまずは、西園寺カンパニーという特殊な会社の業績回復から梃子入れする事に決めたらしく、遥が公私共に信頼の出来る悠里に秘書をお願いした次第だ。

遥いわく、まだまだ伸びる可能性がある会社で数年でなくてはならない会社にしたいそうだ。

こうして、就職が決まった時には、長谷屋を訪れてから1年近くが経ってしまっていたのだった。