俺様めちゃモテイケメンが一人にはまったら。

美月side8

みんなにプレゼントを渡すと凄く喜んでその場でチャームを付けてくれた。私達四人の筆箱にはお揃いのお守りチャームが光っている。

よかった、みんな喜んでくれて。

翌日から予備校に通う二人は忙しくなり、七菜とも二日に一度ラインでメッセージを送るくらい。そのかわり神崎君とは毎日のようにメッセージを送りあうようになった。

きっかけは二十六日に改めてプレゼントのお礼のメッセージが来たこと。そこから勉強についてもわからない事はないか気にかけてくれて、気がつけば毎日連絡を取り合っていた。

そして新学期が始まって一週間、ついに受験本番がやって来た。
共通テスト当日、受験会場の最寄り駅で待ち合わせをした。

『みんなで一緒に行こう』って提案したら『見られるぞ』って神崎君が一番に気にしてくれたけど、取り巻きの事はあまり気にならない。『大丈夫、受験当日にそんな余裕みんな無いでしょ。』と言うと、何故だか七菜に『強くなったねー』と頭を撫でられた。これって強くなったって言うのかな・・・。

共通テストが済んでもホッとしてられない。またその二週間後から本命のA大や他の大学の試験が続くんだから私だったら他人の恋愛事情を気にしている場合ではなく必死だろうからなー。

でも、そんな私の考えは甘かった・・・。

共通テストを終え数日たったある日、私の筆箱からみんなとお揃いのチャームが無くなっていた。
二時間目までは確実に付いていた。カバンの中、机の中と周り、必死に探したがない。

視線を感じ廊下に目をやると女子二人がこちらを見ながらクスクスと笑っている。盗られた、一瞬で状況を理解した。たぶん共通テストで一緒にいる所を見られたのだろう。
見た本人かそれを聞いた人なのかはわからないが、もし同じ三年生ならなんてヒマな人達なんだろうか。

お店で『俺のオリジナル。残り最後の四つだけ。』って言われたから同じものはないか・・・。

でもそんな事で落ち込んではいられない、明後日からは高校生活最後の学年末試験にそれが終われば、直ぐに本命の入試が待っている。

落ち込みそうな気持を(私にはまだ神崎君がくれたブレスレットのお守りがある)と気を取り直し勉強に集中する事にした。


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