蕾の恋〜その花の蜜に溺れる〜


リハビリが終わって
お昼ご飯は落ち着いて食べることができた


少しお昼寝もして
シャワーを済ませた後で


「「レンちゃーん」」


「いらっしゃい」


アリサちゃんとカナコちゃんがお見舞いにやって来た


「今日はレンちゃんに二人から
踊りのプレゼント〜♪」


そう言ってベッドの足元で、学校で習ったという創作ダンスを披露してくれた


「可愛い〜」


拍手をしながら笑顔で二人を見ていると
アリサちゃんのお母さんがベッドサイドにやってきた


「蓮ちゃん、身体はどう?」


「随分良くなってて、リハビリも頑張ってますし
先生も週末には退院出来るって言ってくださっています」


「そうなのね、良かった
学校もお休みさせてしまってるし
色々不安なんじゃないかと思ってて」


申し訳なさそうに言う


「大丈夫ですよ、意外と頑張り屋さんなので」


自己評価を上げてみれば
フフフと笑ってくれた


毎日お花を持ってお見舞いに来てくれる三人に
私は元気をもらっている

それだけで充分だ。



そして・・・


飛鳥さんもいつもと同じように
ケーキを持って来てくれた


「蓮ちゃん今日はTシャツなのね」


「・・・っ、はいっ」


痛いところを突かれて吃る


「本当、細くて白くて綺麗な肌ね」


昨日のことが無かったように
変わらず微笑んでくれる飛鳥さんに


「飛鳥さん」


「ん?」


「昨日は、ごめんなさい」


キチンと頭を下げた


「・・・・・・ううん、私こそ
蓮ちゃんは入院してる身なのに
配慮が足りなかったと思うわ」


飛鳥さんはそう言うと「ごめんね」と付け加えた









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