14日間の契約結婚~俺様御曹司の宇宙最強の恋物語~
6

「副社長。ちょうどいいところに、いらっしゃったわね。今、竜夜君に本当のことを話していましたのよ」
「はぁ? 」

 フフっと笑いを浮かべた茂代。

「副社長。竜夜君のお母さんの事、誰にもお話になりませんよね? 」
「それがどうかしたのか? 」
「いえ。言えなくて、当然かと思いましてね」

 茂代は挑発的な目で愛人を見た。

「副社長。まさか、あの夜の事を忘れたとは言わせませんよ。…8年前、たった一度でしたが結ばれたあの夜の事を…」

 なにを言っているのだ? 
 愛人は呆れてしまった。

「あの日は、職場の祝賀会でしたね。大きな契約が決まり、みんな大喜びでお酒に酔っていた…。副社長もかなり飲んでいらして、私、朝まで副社長の事朝までずっと見ていたじゃないですか。その時、結ばれた事覚えていらっしゃいますよね? 」


 8年前…祝賀会…。

 遠い記憶だが、確かに愛人にも覚えがあった。
 たかがお酒を1杯飲んだだけで、眠気が襲って来た。
 倒れそうになった時、誰かが支えてくれた。

 気づいたらホテルにいた。
 見た事もない派手ないやらしい雰囲気の室内に、愛人は驚き目を覚ました。

 何も着ていない自分を見て、驚き、隣りを見ると全裸の茂代がいた。

 どうゆう事なのか判らなかった愛人だが。
 状況から見ると、茂代と一線超えたように見えるが愛人にはそれがない事が確信できた。

 隣りで寝ていた茂代が目を覚まし、一線を越えたようなことを言ったが、そんな筈はないと愛人は確信を持っていた。


 あの時の事を言っているのか?
 そう思った愛人。


「思い出してくれました? 副社長。8年前のあの夜の事」

 そう言って、茂代は竜夜を見た。

「竜夜君は、今いくつ? 」

 尋ねられても、竜夜は何も答えずじっと茂代を睨んでいた。

「そんなに警戒しないでよ、私、貴方のお母さんなんだから」

 お母さん? 

 その言葉を聞き、リラの中にパっと思い出された光景があった。
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