14日間の契約結婚~俺様御曹司の宇宙最強の恋物語~
8

 翌日は愛人が早く起きて朝食を作ってくれた。


 後から起きてきたリラに。

「おはよう、朝ご飯で来ているから。準備してくれるか? 」

 いつもと変わらない対応をしてくれる愛人。

 言われた通り、リラは準備をした。



 テレビをつけているとニュースが流れてきた。

 茂代が逮捕されたニュースだった。
 そしてオフィスビルのヘリポートから、倒れている男が発見された。

 茂代は男を使って同僚を殺害しようとしたが、呼び出した同僚は来なかったと言っている。
 倒れている男は「化け物が襲って来た」と狂ったように言っている。

 同僚を陥れるために、偽装メールや中傷記事を作ったことも認め自首してきた茂代。
 全部自分が悪いと認めて、素直に刑に服すと言っているようだ。

 仕事は3日前に退職している茂代。



 ニュースを見て、愛人は特に何も言わなかった。
 リラも昨夜の出来事を、話すことはしなかった。

 

 その後出勤すると、社員の間では茂代の噂話が持ちきりだった。
 ずっと前から茂代に関しては、社員の間でも嫌な噂しかなかった。

 未成年と援助交際しているとか、毎晩のようにホスト通いをしているとか。
 愛人の事も狙っているようだが相手にされていないと言われていて、社長秘書になった茂代を見て、次は社長と不倫でもしようとしているのか? と噂されていた。


 最近の茂代を見ていて、自分の悪事を周りに暴露しているようにも見えていた事から、いつか逮捕されるのではないか? とも言われていたようだ。

 警察からは、森沢コンサルティングにも事情聴取は入ったが、茂代が既に退職している事からあまり大きくは取り上げられることはなかった。


 とりあえず大きな嵐が収まった。

 そんなところだった。

 





 数日後。


 週末になり、愛人は仕事の終わりがけにリラに週明けに手術を受ける話をした。


「そうなのですか。良かったですね、良い先生がいらして」
「ああ、それで頼みがあるのだが」

「竜夜君の事でしたら、ご安心下さい。私が責任をもって、見ていますので。まだ、契約期間ですから」
「それもなんだが。俺が頼みたい事は、もう一つある」

 え? と、リラは愛人を見つめた。

「俺と、結婚式を挙げてほしいんだ」
「結婚式ですか? 」

「ああ、2人だけでいいから結婚式を挙げてほしい」

 結婚式。
 そんな事、夢にも思わなかった事だった。

 リラは嬉しい気持ちと驚く気持ちが混合して、暫く黙っていた。
 
  
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