好きになった先生は猫かぶりで腹黒な先輩だった

憧れの先生

「あれ?水書(みずがき)さん??」



『先生・・・』



ずっとずっと想い続けた人に再開した。



高校3年の夏から3か月だけ教育実習生として私たちのクラスに来てくれた菅谷 湊(すがや みなと)先生。
目が合うと笑ってくれて、少しでも落ちこんでいるときは隣にいてくれた。
音楽科の高校で進路のこととかで行き詰ったときに相談にも乗ってくれたし、演奏を聴いてアドバイスもしてくれた。
放課後、教室でいっぱい話したりもした。




憧れの感情は3か月の間で好きに変わっていた。
進学先で迷っていた私は、先生を追いかけるため先生が通っている音楽大学に絞った。



先生の実習最終日「お~受験がんばれ!合格したら俺の後輩だな。」って言ってくれた。
私の演奏技術じゃ厳しいといわれた志望していた音楽大学に見事合格し入学して数か月。



待ち望んでいたこの瞬間(とき)



「待ってたぞ、俺の後輩。
よろしくな、カナデ。」



先生はあの時と同じように笑った。
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