星空の下

勝河一高、1年3組は1つの話題で持ちきりだった。

野郎ばかりの教室の中で、俺は歴史小説を読んでいた。親友が珍しく薦めてきたそれは、官能小説とも言える内容で…これは駄目だと本を閉じた。

「覚えとけよ、あのヤロウ」

小馬鹿にした顔が思い浮かんだ。


特にすることも無く、周りの声に耳を傾けてみることにした。

「また現れたらしいぜ」
「これで3件目か」
「うちの生徒じゃないよな?」

……最近、この辺りで女性を狙った暴行事件が起きているらしい。
フルフェイスのヘルメットと金属バットを持った連中が犯人だという話だ。
< 17 / 19 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop