ドキドキするだけの恋なんて
1

「ねぇ…二股と浮気って どう違うの?」

私の言葉に 他の3人は 一瞬 ギョッとした。

「えっ。あず美 二股されてるの?」

一番早く 反応したのは 美香。


「別に そういう訳じゃ ないけど…」

歯切れの悪い 私を 遮るように 

「二股と浮気は 全然 違うよね?」

と芙由子が 言った。


「そう?どっちも 同じじゃない?そんなの 最低の男だよ。」

4人の中で 一番おとなしい さくらが

珍しく 強い口調で 言い切る。


「それ 男の場合?」

いつも冷静な 芙由子は 

さくらの言葉を 遮って 私に聞く。


「うん…まぁ 一般論として…かな?」

私が 曖昧に言うと 美香が 訝しげな顔をする。


「二股と浮気なら 浮気の方が マシじゃない?」

「えーっ?そうかな…私は 二股の方が 良いと思うけど。」

「どっちも 最低だよ。」


3人が 口々に まくし立てるから。


「だからさあ… どう違うの?」

私は もう一度 同じ言葉を 繰り返した。




 



< 1 / 67 >

この作品をシェア

pagetop