ドキドキするだけの恋なんて
3

タケルとの 経緯を 話す私を

3人は それぞれの表情で 聞いていた。


「で?結局 あず美は よりを戻したいの?」

「はぁ…?まさか 今更。」


美香の言葉を 私は 強く遮ったけど。


「別にいいじゃん?その彼 今は フリーなんでしょう?」

さくらは 意外そうに 美香を見る。


「えーっ!だって あず美を 傷付けたのに。許すの?」

美香は ムキになって さくらに 言い返す。

「彼…タケル君?も まだ あず美に 未練があるから そうやって 電話してくるわけじゃない?思い切って もう一度 付き合ってみても いいと思うけどなぁ。」


「だから… 私は タケルと 付き合う気は ないって。」

私が 強く 言い切ると


「「「えーっ?」」」 と

3人は 声を揃えた。


「じゃ あず美は 何で 二股とか浮気が 気になるの?」

「うん、うん。タケル君のこと 何とも思ってないなら そんなこと どうでもいいじゃない?」


芙由子と美香に 言われて

私は 何となく 口ごもる。


「そうなんだけど。そこを はっきりさせないと 前に 進めないような気がして…」


私の言葉は 歯切れが悪くて。

言い訳にしか 聞こえなかった。


本当に 私は どうして そんなことに こだわるのだろう…

今更 二股でも 浮気でも どうでもいいのに。


解ったところで あの時の 傷は 消えないし。


さっさと 別の人と 恋をすれば いいだけのことなのに。


「もう一度 会えばいいじゃん?会って ちゃんと聞いてみなよ。タケル君に。」

さくらは 可愛い声で 大胆なことを言う。


「えっ。会ったら あず美は 引き返せないと思うよ?」

「そうだね。会うんなら 覚悟を決めてからの方が いいんじゃない?」


美香と芙由子に 言い当てられて。


確かに 私は タケルに会ったら 流されてしまう…



わかっているけど…

もう一度 会ってもいいと 思い始めている。


あの時 タケルの気持ちを よく聞かないで 逃げ出したから。

タケルから ちゃんと聞いて 前を向きたい…


違う… 私は 最近 タケルへ 気持ちが 戻り始めている。


タケルと話すことは やっぱり楽しくて… 









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