ドキドキするだけの恋なんて
6

タケルは それからも 電話をかけてきて。

会おうって 言ったけど…

私は もう タケルに会っては いけないって 思っていた。



週末 宇佐美さんに 誘われて 食事をして。

私は 宇佐美さんに タケルとのことを 話した。


「えーっ!星野さん 強い~。私なら 絶対 流されて より戻しちゃう。」

「強いかなぁ… 自分でも よくわかんないんですよね。より戻す方が 良いのか。私、今 彼氏 いないわけだし。だったら タケルと付き合っても いいかな、とか。」


「うん。軽い気持ちで 付き合っても いいと思うけど…?」

「ただ 私 タケルと別れた後 結構 辛くて。もう二度と あんな思いは したくないから。」


「それって もし付き合うなら 結婚も 視野に入れるってこと?」

「結婚っていうと すごく重いけど。まだ 私にも 結婚する覚悟は ないし…」


「でもさ。別れることが 怖いって そういうことじゃない?」

「うーん…別れ方が 辛かったから。お互い 若かったっていうのも あると思うけど。もっと ちゃんと話して 別れれば 違っていたのかなぁ…」


「どうやって別れても 同じだよ?別れた後は やっぱり 辛いと思うけど。」

「そうですよねぇ…私 タケルと別れてから ずっと 誰とも 付き合ってなくて。だから 余計に 憶病になっているのかな。」


「そうなの?意外… 星野さん 可愛いし。モテるでしょう?」

「まさか!全然 モテないですよ。」


「星野さんって ガードが固い感じ するけど。そうだったんだ…?それなら なおのこと 彼氏 作った方が いいんじゃない?」

「タケル以外で、ってことですか?」

「そうよ。いつまでも 1人でいると 恋愛勘が 鈍るし。それに タケル君の思い出 ずっと 塗り替えられないんじゃない?」


「そうですよね…」


タケルを 好きだったから 辛かった。

タケルを 嫌いになって 別れたわけじゃ ないから。


楽しかったことや 幸せな時間が 

そのまま 残っていて。


時間が経つほど 綺麗な思い出に なっていく。


宇佐美さんが 言うように 

どんどん 恋愛すれば よかった。


上書きできない 思いに 捉われているようじゃ


いつまで経っても 前に進めない…








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