ドキドキするだけの恋なんて
11

その夜 心配してくれた 宇佐美さんに

簡単に 状況を 説明して。


翌日の 帰りに 改めて 食事に行った。


「でも かえって 良かったんじゃない?きれいに 吹っ切れたでしょう?」


宇佐美さんは 私の話しを 聞いた後

笑顔で 言ってくれた。


「そうですね。私 タケルに話しながら 気持ちが 固まったって言うか… それまで タケルから 電話が来ると 揺れてしまっても いたから。」


「コラコラ!そんな事 言っちゃ ダメでしょう。上原さんに 言っちゃうわよ?」


「ヤダ。止めてください。もう!宇佐美さん 怖いなぁ…」


「元カレって 複雑だよね。終わったことって 良い所ばっかり 強調されるから。その頃の 自分が 愛しいって言うか…」


「はい。すごく 辛かったのに。それさえも 懐かしく 思ったりして。」


「うん。それが 若いってことなのかな。」


宇佐美さんの言葉に 頷きながら。

私は 少し 寂しくも 思った。


大人になるって こういうことなの?


ただ ドキドキする恋に 惹かれなくなって。

穏やかで 寛いだ時間が 必要になっていく。


今 私を 寛がせてくれるのは

タケルじゃなくて 翔真だから。


4年前 私は 悲しくて ショックで。

タケルに 何も言えないまま 別れたけど。


今回 ちゃんと 私の気持ちを 

タケルに 伝えることが できたから。


やっと 前に進める…


ちゃんと 気持ちを 切り替えて。







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