子作り契約結婚なのに、エリート社長から夜ごと愛し尽くされました
「紬、おいで」

ソファーに座る柊也さんの隣に座ると、そっと肩を抱き寄せられた。

特に何かを話すでもなく、柊也さんは私の髪をいじったり、口付けしたりしている。

こうやって、二人でゆっくり過ごせるのもあとわずかなんだと思うと、なんだか甘えたくなってきて、彼の胸元に頬を寄せた。

「紬からひっついてくるなんて、貴重だな」

そんなことはないと思うけど……

「なあ、紬。俺今さあ、将来に幸せしか感じないんだ」

トクトクという、規則正しい音を直に感じながら、柊也さんの声に耳を傾ける。

「紬と夫婦になって、もうすぐ血の繋がった娘も生まれる。こんなの、最高だろ」

彼の服を、ギュッと掴む。

「これからもっともっと、幸せになろうな」

「うん」






ピンク色を中心に、可愛い絵柄の服やおもちゃを揃えた私達の間に、立派なモノがついた、柊也さんのライバルが誕生するのは、あと数週間後のこと。












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