産声を聞いて、紬も俺も興奮しきった中、医師の告げる赤ん坊の性別なんて、全く耳に届いていなかった。
我が子が女の子じゃないと気付いたのは、それからしばらく経ってのこと。

まあ、結局は元気に生まれてくれれば、性別なんてどちらでもいいんだけど。


「柊也さん、男の子だったって。見て見て。このすっとした鼻筋。生まれたばかりの赤ちゃんだなんて思えないんだけど。ていうか、柊也さんにそっくり」

病室に連れてこられた我が子の横で、小声ではしゃぐ紬。出産直後でハイになっているのだろう。

「口元なんて、紬そのものだろ」

ほんの少し厚めの唇は、どう見ても母親ゆずりだろう。

「可愛いなぁ」

眠っている我が子をじっと見つめながら、紬がしみじみと言った。

「ああ。本当にな」

血の繋がる親族のいない俺にとって、この子は唯一血の繋がった家族。可愛くないわけがない。