死んだ彼が幽霊を成仏させてみせます!?
葬儀
「自分の葬式を見るなんて、不思議な気分だな」


厚彦の葬儀の日はよく晴れていた。


冬服姿の学生たちが参列した会場には、沢山の人が集まってきている。


親戚やクラスメートだけじゃなく、小学校や中学校時代の友人も来ているようだ。


梓は厚彦の言葉に返事をせずに列に並ぶ。


前方には厚彦のご両親の姿が見えて、ズキリと胸が痛んだ。


厚彦の両親に会うのは初めてのことだったけれど、2人とも自分も親よりも随分老けて見えた。


あるいは、厚彦の死が2人を一気に老けさせてしまったのかもしれない。


「B組のマミちゃんもあまりよくないんだよね」


そんな会話が聞こえてきて振り向くと、女子生徒2人がコソコソとささやき合っている。


隣りのクラスのマミちゃんは体が弱く、ほとんど学校へ来ていないことを梓も知っていた。


でも、あまりよくないという話は初耳だった。
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