アオハルの続きは、大人のキスから

 慌てて店に戻ってきた小鈴を見て、椿はニッコリとほほ笑んだ。だが、目が怖い。怖すぎる。
 なにかを訴えられているように感じ、小鈴は背筋が凍った。

 そんな小鈴の肩を抱き、椿は店じまいを済ませてシャッターを下ろした俊作に高らかに宣言をする。

「では、俊作。お疲れ様。私たちはこれから女子会だから」

「は!? おい待て、椿。お前は体力があり余っているだろうが、小鈴は今日一日忙しく働いていたんだ。疲れているんだから、休ませてやれ。また今度にしろ」

「はぁ!? なんで俊作に小鈴のことを仕切られないといけないのよ! うるさいわね、小舅は」

「うるさいのは、そちらだ。とにかく今日はダメ。小鈴が可哀想だ。こんなに疲れた顔をしているのに、年上のお前が小鈴を連れ回してどうする。それに、さっきだって小鈴にお遣いへ行かせていただろう? これ以上、小鈴に迷惑をかけるな」

 俊作が椿を冷淡な声で注意をするのだが、彼女はそんなものではへこたれない。

「疲れている顔をしているのは、仕事のせいじゃないわよ」

「はぁ?」

「とにかく、小鈴はこれから私のマンションでお泊まり会なんだから。邪魔しないで」

「女子会じゃなかったのか?」

「女子会しつつの、お泊まり会なの」

 俊作にキッパリ言い切ったあと、椿は小鈴に視線を向けてきた。だが、その目がやっぱり怖い。

「小鈴ぅ。椿お姉ちゃんと一緒に女子会するわよね?」

 とてもノーとは言えない雰囲気で、コクコクと何度も頷いてしまう。

 結局そのあとタクシーに無理矢理乗せられ、椿のマンションまで行くことになったのだ。

 ケータリングを頼んだあと、どうしてあんなに早くホテルから帰ってきたのかと尋問されて結局全部を吐かされてしまった。


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