極上御曹司に初めてを捧ぐ~今夜も君を手放せない~
8、優のお母さま
パラパラと雨の音が聞こえてきて目が覚めた。
なんだか肩がスースーする。
それに人の手が私の腰に回されているのに気づいて、サーッと青ざめた。
ここは優のマンションで私が使わせてもらっている寝室。
だとしたら、腰に巻きついているこの手は優の?
お化け屋敷にでも入るかのように恐る恐る背後に目を向けると、優の顔があって絶句した。
目を閉じて眠っている。
な、な、なんでこんなことになっているの〜!
しかも、私……裸だ。
え〜、なんで〜!
頭の中はパニック。
昨日の記憶を辿ろうとするも、あまりに動揺していて冷静に考えられない。
彼の手が私の腰から胸に移動してきて思わず奇声をあげた。
「ぎゃあ!」
「……ん?あっ、おはよう」
私の声で目覚めた優がゆっくりと起き上がる。
わー、わー、起こしちゃった!
髪が乱れていても、無精髭があっても美形は美形。
いつもは身のこなしもエレガントでどこかの王子さまの様な風貌の彼だが、今はセクシーな海賊みたいでこれまたドキッとしてしまう。
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