極上御曹司に初めてを捧ぐ~今夜も君を手放せない~
2、上司の家に居候することになりました
「あれっ、今日藤原さんメガネなんですね。なんか藤原女史って呼びたくなります」
次の日、客先から戻ってきた朝井くんが私を見てそんなコメントをする。
「今日は目がちょっと痛くてコンタクト出来なかったの」
実は朝寝坊してコンタクトと化粧をする暇がなかったなんて恥ずかしくて言えない。
メイクは会社に着いてからしたけど、朝バッタリ滝川さんに会ってノーメイクの顔見られたんだよね。
『寝坊した?藤原さんメイクしてないと高校生みたいだね。可愛い』
まあ面と向かって不細工とは言えないだろう。
フェミニストの彼なりの優しさだったんだと思う。
もう恥ずかしくて何も言い返せなかった。
朝井くんに突っ込まれたくなくて、話を変える。
「昨日は発送作業手伝ってくれてありがとね」
「いえいえ、あんまり手伝えませんでしたけど。昨夜は結局何時に帰ったんですか?」
優しい彼は私がどんだけ残業したか気になるのだろう。
「北條さんと滝川さんが手伝ってくれてね、日付変わる前には帰ったよ」
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