「……え!?どういうことですか!?」


「もう何ヶ月も前から張り紙もしてたしポストにもお知らせの紙入れておいたでしょう?梅田さんだけなのよ、まだ出て行ってくれてないの。ほら、この張り紙の通り、今日が期限だから悪いけど早く出て行ってくれる?」


「そんな……」



まさに寝耳に水状態だった。


アパートの入り口に張り紙?いやいや、仕事で疲れててそんなの見てないわ。


ポストに投函してた?


……いやいや、ダイレクトメールくらいしか送られて来ない我が家では多分チラシと一緒に捨てたと思う。


自業自得には違いないものの、私は自宅アパートの玄関で大家さんと対峙して途方に暮れていた。



目の前にバッ!と出された紙は、アパートの入り口に貼っていたというもの。



"当アパートは土地開発のため取り壊すことと相成りました。つきましては住民の皆様には来る七月三十一日までに御退去願います。突然のご連絡となってしまい、住民の皆様には多大なご迷惑をおかけして誠に申し訳ございません。ご理解ご協力のほど、よろしくお願いいたします。"



何度読んでも書いてあることは同じ。



土地売り渡してアパート取り壊すから出て行け?
なんて勝手な。


とは思うものの。



「もうこれ張り出して三ヶ月くらいになるわよ?三ヶ月もあれば次の家探しも終わってる頃だろうと思って早めに掲示したのに……」


「……すみません」



スマホに入っているカレンダーを見つめると、今日がその七月三十一日だ。


冷や汗が止まらない。