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「初めまして。相楽里奈です。こっちは旦那の浩史」


「初めまして。神崎和也です」



一ヶ月後。ようやく四人の予定が合い、一緒に食事にレストランに来た。


式の前に既に入籍を済ませていた里奈の新居の近くにあるイタリアンのお店。


ディナーで来るとなかなかのお値段がするとテレビで見たことがあるものの、ランチタイムは思いの外リーズナブルらしい。


お互い挨拶し合って注文して、私と里奈が中心となって会話を進めていた。


結婚式当日まで残り一ヶ月を切った二人は、日々式の準備に忙しないと聞く。


その様子を聞きながら食事をしていると、里奈の旦那さんの浩史さんが和也さんと喋っていて。


その会話を聞こうと思ったら興奮した様子の里奈がハンドメイドで作った披露宴用の小物を見せてくれたりして。


気が付けば私もそちらに気を取られ、男女に分かれて盛り上がっていた。


別れ際に、



「文音達の式も楽しみにしてるね」



と耳元で呟いた里奈に頷いてから、車に乗る二人を見送った。



「まだ帰るには早いけど……どこか寄っていく?」


「うん。そうする」



この一ヶ月の間に、お互い敬語をやめて会話をするようになった。


最初はぎこちなかったけれど、慣れればどうってことない。


季節は冬に向けて走り出した十一月末。


身に染みる寒さから逃げるように私達も車に乗って、近くのデパートまで向かう。


その道中、運転している和也さんは信号で止まる度に私の手をギュッと握ってきて。



「……どうしたの?」


「……うん。柔らかいなあって思って」



それに笑って、私もギュッと握り返す。