星空が輝くとある夜。夕食を食べた後に、デザートを冷蔵庫から出した。



「……あ!」


「どうぞ。召し上がれ」



和也さんが目を見開いたのは、お皿に乗っているのがチーズケーキだからだろうか。



「これは、もしかして」


「はい。私のレシピです」


「やっぱり!」



一番得意で、一番大好きなチーズケーキとミルクティー。


このチーズケーキは閉店して以来、本当に久しぶりに作った。


多少の材料の違いはあれど、ほぼ同じものだ。



「美味しいです。やっぱりこれが一番」



目をとろんと垂れさせてそう言われたら、もうパティシエ冥利に尽きると言っても過言ではないだろう。


自分でも一口食べて。


大好きな、思い出がたっぷりの味。



「美味しいなあ」



たった数ヶ月前までは、これを毎日作っていたのに。


今はこんなにも懐かしいと思う。


それがどこか寂しく、どこか切ない。


でもここに、私だけのお客様がいてくれるから。



「明日もこれがいい」


「ふふっ、わかったよ」



お揃いの指輪が、お互いの薬指に光る。


その笑顔が見られれば。それだけで、いい。



end

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