豚は真珠♡
第一章

不思議な転校生



ー1年前ー


『おーはよッ!』
私がまだ半分寝ているような体を引きずりながら歩いていると後ろから幼稚園からの幼馴染の伊藤真理亜(いとう まりあ)が私の肩を思いっきり叩いて駆け寄ってきた。




ドンッと勢い良く飛ばされかけたが
『おはよう。真理亜さま。』
私がゆっくり深々と尚且つ暗い声で挨拶すると
『だから''様"つけるのやめてよ。私だってなりたくてこんな名前になったんじゃないんだから』と真理亜がふくれっ面になる。
ここまでは毎日のパターンである。



 誰がどう見立てもこの二人の光景は異様だ。何故かって?それは、二人のルックスがあまりにもかけ離れていてまるで漫才コンビの様だからだ。


ここで自己紹介をしておこう。

私の名前は
三木真珠子(みき たまこ) 
名前のとおり''たま"のように コロコロしている。身長148cm 体重70kg
誰が見ても”おデブちゃん"である。
おまけに黒縁の丸い眼鏡に両サイド三つ編みである。まるでチビまるこちゃんの
○マちゃんのようだ。

親は真珠のように無垢で、美しくと願い、この名前を付けてくれたという。
今の私はその願いからは遥かに遠いムクムクのルックスで親には申し訳ないと思うほどだ。


隣にいるこの陽気な女の子は幼馴染の真理亜である。
その名の通りマリア様のように美しい子だ。スタイルもよく頭もよい。いつも成績も上位にいる。聖母様とただ違うとすれば……性格がかなりのお転婆で強気なところだ。

小さい頃から私は真理亜の後ろにクッキーをくわえながらついて回った。
真理亜は運動神経も良く木に登ったり鉄棒したり近所の男の子と鬼ごっこしたり…いつも私の数メートル先を歩いていた。
勿論その頃からコロっとしていた私は歩くのも遅く真理亜をずーーーーーっと後ろからクッキーを食べながら眺めていた。
近所のおばちゃんから『あら、真理亜ちゃん又たまちゃん連れて歩いてるの?遠くにいすぎて見えないけど…』と言われるのが当たり前だった。
近所の人はあまりにかけ離れた二人を見て不思議だったろう。

そんな二人は幼稚園からずっと中学も高校も一緒に歩んできた。
高校受験のときも真理亜に
『真珠子は私とずーっと一緒だよ?』
と言われ強制的に同じ学校にエントリーさせられた。
まぁ、志望校が特に無かったので私的には助かったが。
真理亜はルックスも良いのでモテる。
新学期が始まってから何人に告白されたのだろう。
だが、真理亜がいつも決まって
『私は一人が良い!誰にも束縛されたくない!』と言い断ってしまう。

勿論一回も恋愛と縁のない私からすれば贅沢な事である。
とは言え、好きな人が出来たことも無いが…。

そんな事を回想していると私達の通っている高校が見えてきた。
『緑が丘高校』ーみどりがおかー
特別何かが強いという訳でもなく、ごく普通の高校だ。緑が丘と言うだけあって学校の周りは本当に森に囲まれている。

高校三年の新学期になり数日、私は特に何が有る訳でもなく毎日学校に通っている。





教室につき窓際の席についた。
まずアメとガムを出す。
何故かって?
口が寂しくならないようにだ。
流石にクッキーは教室でバリバリ食べられないので飴で我慢している。
私も少しは進歩しただろう。すこしは。

真理亜『ねぇねぇ。』
ガムを口に頬張った所で真理亜がそう言って近づいてきた。

『真珠子。あそこにいる男子知ってる?』

『ん?』
ガムを頬張りながら振り向くと
そこには見慣れない茶髪のサラサラヘアー男子がクラスの子たちに囲まれていた。

『知らない。誰?あの人。』
と私が言うと、後ろの席の
今野 翼(こんの つばさ)が
『転入生らしいぜ。さっき村田(担任)が連れてきたんだよ。いーよなー。何かイケメンだし、モテるだろ、あれは。』
とひがみたっぷりに言った。

すると真理亜が『へぇ…中々じゃん』と意外なコメント。
だが続けて『私は興味ないけどね~』と自分の席に戻っていった。

この時はこれからどんな事に巻き込まれていくか想像もしていなかった。ーーーーーーーーーーーー
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