冷徹旦那様との懐妊事情~御曹司は最愛妻への情欲を我慢できない~
エピローグ
出産当日から三日後。

奈月の病室に、深雪が訪れた。

「奈月、来たよ」

「深雪さん来てくれてありがとうございます」

「体調は?」

「順調に回復してますよ」

深雪は「良かった」と言うと奈月のベッド近くに置いてあるベビーベッドに気付きそっと覗き込んだ。途端に頬を染め目じりを下げる。

「こんなに小さいのね……可愛い」

「私もこの子の手を見たとき驚きました。考えてみれば今まで近くで赤ちゃんを見たことがなかったから」

奈月の小指を掴むのが精いっぱいの小さな手の平。あまりに頼りなく触れるのが怖くなる程だけれど、そんな心配を吹き飛ばす程力一杯泣いてく姿は力強い。

「女の子なんでしょう?」

「はい。和泉がすごく喜んでました。充分用意してあるのにピンクの服を買い足したり。張り切ってるのは分るけどちょっと困ってます」

実は和泉は女の子希望だったそうだ。今から娘に甘い父親になる気配が溢れている。

「ふふ、いいじゃない。男は親になる自覚が遅いって聞くけど和泉さまはそうでもないみたいで頼りになりそうだわ。ところで名前は決まったの?」

奈月は頷いた。実は名前は大分前に決まっていたのだ。性別は生まれてからの楽しみにしていたので、男女どちらでも通用する名前にしようと和泉とふたりで悩み決めた。
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