崖っぷち令嬢が男装したら、騎士団長に溺愛されました
14.新たな疑惑
 レオナルドが執務室で書類に目を通していると、不意にドアがノックされた。

「よお!」

 軽い調子で声をかけてきたのはカールだ。

「定例の打ち合わせには早いが、何か気になる動きがあったのか?」
「ああ、ちょっとね」

 カールは片手を振ると、「届け物だ」と一通の封筒をヒラヒラと揺らした。

「どこからだ?」
「リリアナ妃から」
「リリアナ妃?」

 受け取って開くと、見覚えのある厚紙が出てきた。年に一度だけ皇后主催で開かれる、宮廷舞踏会の招待状だ。

< 250 / 300 >

この作品をシェア

pagetop