崖っぷち令嬢が男装したら、騎士団長に溺愛されました
3.皇都騎士団長レオナルド

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 ハイランダ帝国の皇都騎士団は数多い騎士の中でも腕の立つ者のみが配属されるエリート集団だ。その頂点に立つ皇都騎士団長レオナルドは、ハイランダ帝国軍の若き副将軍でもある。

 二メートル近い大きな体に引き締まった筋肉の着いた恵まれた体躯、しっかりと上がった眉に猛禽類を思わせる鋭い茶色の瞳。焦げ茶色の癖のある短髪はすっきりと後ろに流し、軍人然とした風貌をしている。
 皇都を守る守護神に相応しい凜々しい男で、特に皇帝から信頼の厚い他の三人の側近と供に〝ハイランダ帝国の四天王〟とも呼ばれていた。

 一方で、レオナルドは軍人にありがちな無口で愛想の欠片もない男だった。
 それはもう、周りがやきもきするくらいに。

「あのっ、レオナルド様。よろしければこれを」

 この日、帝都騎士団の訓練の視察を終えて場所を移動しようとしていたレオナルドを、一人の令嬢が呼び止めた。

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