QUALIA ー最強総長×家出少女ー
バシッ……ッ!

「痛っ!!!!」

顔に激痛が走り、倒れる。唇から、血。

起き上がろうとすると、お兄ちゃんはお腹に、強烈な一撃を食らわせた。男の力で、一切手加減がない。

また地面に倒れると、お兄ちゃんは執事達に私を無理やり立たせるように命令した。

執事達は黙ってそれに従う。ピアノチェアに座らされ、倒れないように両側から押さえる。

「あーあ。血が出てる。せっかく美人な顔なのに、これじゃテレビに出られないじゃないか?」

痛みで視界がぼやける。お兄ちゃんはハンカチで唇の血をぬぐう。

「よし、あとはメイクでごまかせる。にしても琴葉、お兄ちゃんは悲しいぞぉ~!」

お兄ちゃんはうつむいていた私の前髪をつかみ、顔を上げる。
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