QUALIA ー最強総長×家出少女ー

ため息をつきながら、ポケットを叩く。

“これ”を飲む前に、やりたいことはたくさんある。

お酒を飲んだり、バイクの後ろに乗ったり、男の人とキスしたり、、

なんでもいい。ひとつでも多く、大人になったら当たり前に経験することを、今夜やっておきたい。

そうして、夜が明けたら“これ”を飲んで全てが終わる。

お兄ちゃんに捕まる前に。

「そうだ、もしかしたら」

ーー赤い目の男の子。

もし、彼が本当に存在するなら、今夜どこかで、会えるかもしれない。

いや、でも無理だよね。夢でしか会ったことないし、そもそも実在するかも怪しい。

「ねぇ、そこの君!」
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