御曹司は魔法使い⁉︎
ベリヒルタワーVIPラウンジ
病院側への申請はすぐに通った。
女性事務職員に、父のファンが沢山いた事が勝因だろう。事務局長は、女性職員達の勢いに押された形だった。
父を全面に出したのは正解だったわ。
それに、一緒に話を聞いてくださった女性職員だけじゃなく、周りにいた男性職員まで、中庭にテラス席を広げる事を賛成してくれた。やっぱり、日中少しでも外にいる気分を味わいたいのは皆んな同じなんだ。

そして、今日はこれからベリヒルタワーのラウンジでお父さんと赤城さんと打合せ。
病院側への申請が通ったんだもの。
一気にこの企画、進めるつもりだ。

店を閉めてから、ベリヒルタワーに向かう。
ここは低層階の高級スーパーマーケットや店舗が入っているライフゾーンと、中層階のオフィスゾーン、高層階のホテルゾーンに分かれている。
そして、54階には高級フレンチレストラン。
55階には選ばれたものしか入ることの出来ない、会員制VIPバーがあり、さらにその上階に会員制VIPラウンジがある。
私はもちろん父が会員なので、よく出入りさせてもらっている。
と言っても、いつも父と同席だ。
私達親子はとても仲が良い。
会員制VIPバーにも母を含めてよく3人で行く。
あまり自覚はないけど、こういうところは、きっとお嬢なんだろうと思う。
恵まれた環境で生活しているのは確かだ。

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