響は謙太郎を唆す
10 嘘

響は謙太郎のいない一日を終え、夕方普通に家に戻った。
珍しくレン1人が家にいたので、晩御飯の相談をしていたらインターフォンが鳴った。

制服のまま「はーい」とドアを開けると、門のところに警官が2人見える。

「何だろ?」

と戸惑いながらつっかけを履き、門扉を挟んで警官に会釈した。

「戸波響さん、ですか?」
「はい⋯⋯ ?」

警官は硬い表情をしていた。

「ちょっと、お話をお伺いしたいんですが」
「⋯⋯ 私ですか?」

響は思い当たることもなかった。
何だろうと思う。
警察だというだけで、何となく威圧感があって、何もなくても緊張してしまう。
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