とっぷりと日が暮れた商店街、ざあざあとよく降る雨の中を駅前のバレエスタジオから家へ向かって私はとぼとぼと歩いている。
 今年は記録的な雨続きなのだとテレビのニュースでやっていた。そういえば、もう何日も青空を見ていない。まるで今の私の気持ちのようだと思った。
 バレエスタジオに私が通いだしたのは、まだ保育園の頃だった。
 商店街にお買い物をしにきた時に見たひらひらのレオタードの女の子たちにあこがれて、どうしてもやりたいってお母さんに頼み込んだんだ。初めお母さんは、渋い顔をした。
 家はお母さんも働いているから、送り迎えが大変だと思ったみたい。でもお父さんがお母さんを説得してくれて、なんとかやらせてもらえることができたんだ。
 そしてすぐに私はバレエに夢中になった。
 レッスンはすごくきびしいけど、やればやるだけ上手になるのがわかるから、ちっとも苦にはならなかった。
 初めは週に二回だけだったのが、毎週その日を待ちきれなくて三回に。四回にしてほしいと言う頃にはお母さんもあきらめたみたいだった。