パスまわせー!こっちだー!という声がグランドに響く。久しぶりに晴れた青い空の下で、悠馬のクラスの体育の授業が行われている。
 私はそれを窓際の自分の席から、見下ろしていた。
「ひょー、王子様、今日もまぶしいねえ」
 さっちゃんがちょっと大きな声で言うのが、聞こえて私の胸がどきんと鳴った。
「ちょ、ちょっとさっちゃん!」
 私のクラスは自習中。
 ガヤガヤとうるさくて、誰も私たちの会話なんて聞いていないってわかっていても思わず私は周りを見まわした。
 昨夜、思いがけずつきあうことになってから、私と悠馬はいくつかの約束をした。
 一つ目は、"学校では秘密にすること"これは主に私の希望だった。時々悠馬が教室に来るだけで、あんなに大騒ぎになるんだから、たとえバレエのためとはいえ、つきあってるなんてことが知られたら…、きっと私、ただでは済まない。