「それにしても、本当にかわいい店がいっぱいあるよねここ」
 私は吹き抜けの天井を見上げて言った。悠馬と来るのも楽しいけど、女の子のお店を見てまわるなら、断然さっちゃんと一緒が楽しいだろうなぁ。
 悠馬がコーラを飲みながらまた私の考えを読んだようなことを言った。
「最近よく一緒にいるあの子とくればいいじゃん」
 私は口の中で「うん」と言ってうつむいた。
「バレエスタジオだって近いんだから、学校帰りにちょっと寄るくらいできるんじゃない?」
 それはそうだった。
 でもそれができないのは、私がバレエのことをさっちゃんに言えていないから。
「さっちゃんには、バレエをやってること言ってないんだ…だから、平日は無理かな」
 かといって日曜日に誘ってもいいものかどうなのかわからない。
 悠馬が少し言いにくそうに口を開いた。
「それってさ…、るりが学校でメガネをかけていることと関係あるの?」
 私の胸がずきんと痛んだ。
 六年の時にいじめにあったことは、さすがに悠馬にも言えてない。
 そもそも、誰にも言ってなかった。
 家での私と学校の私、両方の私を知っている悠馬ならそりゃ、不思議に思うよね。