翠玉の監察医 法のあり方
「スウェーデン料理なんて初めて食べます!楽しみです!」

蘭の隣で圭介がニコリと微笑む。蘭も「私も初めてです」と答え、少し微笑んでみる。圭介にはこの前過去を話せたため、ただの友達とは蘭は思えなかった。友達でないなら一体何なのだろうか?考えてもわからない。

「マルティンの家って来るの初めてなんだよな〜。スウェーデンの有名なものって何なんだろう。調べてみよ」

アーサーもソファに座り、スマホで代表的なスウェーデン料理などを調べ始める。しばらくするとキッチンからおいしそうな匂いが漂ってきた。

「お待たせ〜!ヤンソン・フレステルセだよ〜!」

マルティンが持ってきたのは、じゃがいもとアンチョビのグラタンだった。「おいしそう!」とアーサーとゼルダが目を輝か、圭介や碧子も嬉しそうにする。

「あと、クロップカーコルとスモーガストラタだよ」

テーブルにマルティンは大皿を二つ並べる。クロップカーコルとは、じゃがいもで作ったもちもちの生地で塩漬け豚肉と玉ねぎを包み、お湯で茹でた料理だ。そしてスモーガストラタとは、誕生日やパーティーでよく目にする機会が多いサンドイッチケーキのことだとマルティンが教えてくれた。
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