お見合いは未経験
6.風呂上がりはコーヒー牛乳だよね
海を一望出来るという成嶋家は真奈も気に入ったようだった。
「すごーい。いい景色ですね!」
「ホントだな。」
車を止めると、駐車場からも海が広く一望できる。

こんな場所に家を持っていたとは、全く知らなかった。
真っ白いデザイナーズハウス風のその家は、なかなかにオシャレだ。

表札も金物細工で、こだわりを感じさせる。
外には既に車が何台か置いてあり、もうすでに、来客があるらしい。
広い駐車場には何台もの車が停まっているが、それはまるで高級車の展示場のようだ。

ピンポーンと呼び鈴を鳴らすと、『はあい』と返事があり、『あ、榊原さん、今行きますねー。』と葵の声がした。

ドアが開けられ、中から顔を出したのは、葵と成嶋。

「おーっ、いらっしゃーい!そっちがお嫁さん?」
ヘンリーネックの白シャツにデニムのパンツがそのスタイルのよさにぴったりと合っている成嶋が、笑顔で出迎えてくれた。

「何だよ!やっぱりむっちゃ可愛いなー。お人形さんみたいだ。こんにちは!オレ、元同僚で、成嶋っていいます。こっちはうちの嫁さん、葵。」
軽く葵を真奈に紹介すると、葵もその横でにっこり笑う。
「こんにちは。」

こうして見ると、ちゃんと夫婦に見えるものなんだな。
2人で客を迎える様子が微笑ましくて、いいな、と感じる。
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