お見合いは未経験
7.僕にしか見せない姿を見せて
「すっごく、気持ち良かったです!」
「ゆっくり、出来た?」
「はい。」

大浴場の前で待ち合わせをした2人だ。
真奈もリラックス出来たようで、今まで見たこともないような、ほこほことした表情をしていた。

湯上りで浴衣姿の真奈は、清潔感のあるシャンプーの香りといい、瑞々しい肌の感じといい、とても心惹かれる。

受付の女性と一生懸命選んでいた、桔梗の柄の浴衣がとても似合っていた。やはり、着物が似合う。
長い髪をくるりと巻いてヘアクリップで止めていた。白くて、細い首とうなじについ目がいってしまう。

「葵さんと、奏さんと楽しそうだったよね。」
「はい!すっごく。年齢も近くて、盛り上がってしまいました。」
ころころと笑う笑顔は年相応で、とても可愛い。

「貴志さんも盛り上がっていたように見えました。今度、女子会しましょうかってなって、ラインとか交換しました。良かったでしょうか?」
真奈がそう聞いていくる。

貴志に気遣いを見せながらも、自分も楽しんでくれたのなら、本当に良かったと思う。
貴志にはそんな真奈が愛しくて仕方ない。

「もちろんだよ。真奈もお友達が出来たのなら、良かった。」
「貴志さんはどうでしたか?初めてお会いする方もいらっしゃったのでしょ?」
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