4月から配属の学校が決まった。

両親も喜んでくれた。

だが····
体調が····悪い····

胃がムカムカするし
吐いてしまう。

父・豊が学校に行くと
母・すみかから
「芽依、あなた生理きてる?」
と、言われて
ん?と考える
「ええっ、えっ、嘘。
来てない。」
「色々あったから
精神的なところから遅れているだけ
かもしれないから
病院に行ってみましょう。」
と、母に言われて
のろのろと立ち上がり
母と病院へと向かう。


私は····

   ········妊娠····していた。


いつの間にか、エコー写真を
手にしていた。

帰りの車の中で
母から、父に話さないといけない
と、言われた。

教師の道は、どうなるんだろう
と、他人事のように思っていた。

帰宅した父は、話を聞いて
怒涛の如く怒り
相手の名前を訊ねた。

だが、言えなかった。
言えば、石川財閥から
何をされるか、わからない。

母には、口がさけても
言わないでと伝えていた。

父から大好きな教師の仕事を
奪いたくなかった。
何十年も培ってきたのだ。

父は、この職が天職だ。
私は、父に何を言われても
黙ったまま我慢した。

父から
私が配属される学校の校長先生へ
連絡するように言われた。
「辞退」の······
そして、
「明日家を出ていけ!!」
と、怒鳴ると部屋から出ていった。

「あなた!!」
と、母が叫ぶが
母の手を握り首をふる。
母は、
「でも·····でも····デモ···デ·····モ····」
と、泣いていた。

私は、自分の部屋に行き
荷物を持つ
自分の通帳と印鑑も。

保険証は、父の扶養だから
机の上に置いて行く

一睡も出来なかったが
父が、学校に行くのを待ってから
部屋を出る。

母は無言で
おむすびを作って渡してくれた。

そして、私の荷物に封筒を入れた。
私が、「お母さん?」
と、言うが母は首を振る。

私は、
「ごめんね。親不孝な娘で。
だけど、お母さんにまで
辛い思いをさせて。
身体にはくれぐれも気をつけてね。」
と、言うと
「お父さんのため···に····
あり···が····とう····。
芽依こそ····身体に···気をつけて」
と、私を抱き締めた。

荷物をもって玄関に向かうと
「芽依、ここに行きなさい。」
と、言われてその紙を見ると
父の弟・理さんの住所と名前が
書かれていた。

ん?と思うと
「大丈夫、優しい人だから」
と、言った。

理伯父さんの住所は
神奈川県の鎌倉市だった。

電車で揺られながら向かう。

住所に着くと
そこは、海が一望できる場所で、
お洒落な街並みで
理伯父さんは、レストランを
経営していた。

カラン・カランとドアを開く
「いっら·····あっ、芽依か?」
「はい、理伯父さん?」
「そうだ。芽依、大きくなったな。」
「えっ、あった事ありますか?」
「ああ、芽依がまだ、三つだったかな」
「そんな小さいとき?」
と、言うと伯父さんも
「だから、大きくなったわけだ。」
と、言って笑うから
私も一緒になって笑った。