「乗ります!」
階段を駆け上がり、すでに停車していた電車をめがけて私は滑り込む。
中にいた人の視線が少し気になりつつも、ほぼ満員の電車の窓際を今日は死守できたことにホッとしつつ、私はぼんやりと流れる街並みに視線を向けた。

外の景色は毎日変わらないが、地下鉄より外が見えることは時間を短く感じさせてくれる気がする。

ようやく目的地の駅が見え、そんなことをぼんやりと考えていた私だったが、電車のドアガラス越しに目に入った時計にハッとする。

急がなきゃ!

私はまだ開き切っていないドアから足早に飛び降りた。

すでに秋の風が吹いており、もうすぐ十八時半になろうとしている電車の外は肌寒く感じた。
しかしそんな感慨に更けている場合ではないと、私は慌てて改札を抜け、まだ真新しい複合タウンへと足を踏み入れる。

病院、レジデンス、オフィスビル、テナント、それらが集められたこの街はたくさんの人が行き来していて、とても華やかで明るい場所だ。