「あの日、結衣に一目ぼれしたんだ」
「え?」
驚いたように目を見開く結衣は、破壊的にかわいい。

ひとめぼれは、いつしか本当に俺に癒しを与えてくれる存在へと変わった。
小さいころから封印していた、甘えたい感情や、可愛がりたい気持ち、そんないろいろな自分が結衣といるとでてくることに、俺自身が一番驚いた。

臆することなく自分の感情をぶつけてくれる、結衣のクルクルかわる表情は、いつしか本来の俺を思い出させてくれた。

俺の言葉に一喜一憂する結衣を、甘やかせて俺のことを少しずつ少しずつ意識するように。
演技の練習と言いながら、少しずつ結衣との距離を縮めてきたと知ったら、きっとまた結衣は怒るだろう。

それでもきっと、いつもの笑顔で笑ってくれる。そんな結衣しか俺はもういらない。